コロナ後遺症による脱毛

抜け毛に驚いている女性

コロナ後遺症による脱毛の症状

 新型コロナウイルス感染症の後遺症として、発症後に脱毛が起きる場合があります。これは「休止期脱毛」と呼ばれるタイプの脱毛症です。毛髪が抜ける病気であり、初期症状を見逃さないことが重要です。初期症状には以下のようなものがあります。
1. 抜け毛の増加
通常よりも多くの抜け毛が枕やシャワーの排水溝に見られる場合、脱毛症のサインかもしれません。
2. 髪のボリュームの減少
髪の毛が薄くなり、以前よりもボリュームが減少している感じがする場合、注意が必要です。

コロナ後遺症による脱毛の原因

 休止期脱毛は、体に強い負担がかかったときに起こることが知られており、新型コロナウイルス感染症の場合も、発熱や重症度の高い低いにかかわらず、脱毛をきたすようです。休止期脱毛症は、髪の毛の成長サイクルの一部である休止期に多くの髪が入ることで、抜け毛が増える状態を指します。通常、髪の毛は成長期、退行期、そして休止期を経て生え変わりますが、新型コロナウイルス感染症の後遺症として休止期の髪の割合が増えると、抜け毛が目立つようになります。

休止期脱毛症の分類

休止期脱毛症は、髪の毛が成長を停止し、大量に抜け落ちる状態を指します。この症状にはいくつかのタイプがあり、それぞれに特徴があります。

急性休止期脱毛症
急性休止期脱毛症は、通常のヘアサイクルが急激に休止期に移行することで起こります。精神的ストレスや栄養不足、外科手術、出産などが原因で発症することが多いです。コロナ後遺症による脱毛がこれに属されます。特徴的なのは、短期間での大量の抜け毛です。

慢性びまん性休止期脱毛症
慢性びまん性休止期脱毛症は、6ヶ月以上かけて徐々に進行する脱毛症です。頭頂部だけでなく、頭部全体が薄くなることがあります。原因としては、貧血や甲状腺疾患、栄養不足などが挙げられます。

慢性休止期脱毛症
慢性休止期脱毛症は、原因が特定できないことが多く、6ヶ月以上続く脱毛症です。女性男性型脱毛症(FAGA)と似ているが、側頭部も含めた広範囲にわたる脱毛が見られます。

これらの休止期脱毛症は、適切な診断と治療によって改善が期待できます。原因に応じた治療法があり、まずは、医師の診察を受けることが重要です。

黒板とパンダ

※受診した医師から「特別な治療は不要、経過をみて問題なし。もしも半年経っても回復しない場合は、再度、皮膚科受診の事。」と告げられ、不安な時を過ごしている方、何か漢方で出来る事が無いかと探している方へ

中医学的なアプローチとは

中医学では「髪は血の余り」という考えがあります。これは、人体の活動に必要なエネルギー源としての「血」が、内臓や各組織に送られた後、余った分が髪の毛の成長に使われるという意味です。血液が充分にある状態を「血余」といい、この状態が髪の健康にとって重要だとされています。

血余の概念は、髪の毛だけでなく、身体全体の健康と深い関わりがあります。血液が十分にあれば、栄養が全身に行き渡り、髪の毛も美しく健やかに保たれます。逆に、血液が不足すると、髪の毛は薄くなり、白髪や抜け毛の原因となることがあります。

中医学においては、血余を保つためには、質の良い血液を作ることが大切です。そのためには、バランスの良い栄養をしっかり摂ること、身体を温めて血流を改善すること、温灸などで血行を良くすることが大切です。

このように、中医学では髪の毛の健康を維持するためには、血液の質と量を保つことが非常に重要であると考えられています。血余の状態を保つことで、髪の毛だけでなく、全身の健康にも良い影響を与えることができるのです。

代表的な処方について

血を補い、血の巡りを良くすることが重要です。代表的な処方には「婦宝当帰膠 (ふほうとうきこう)」があり、これらは血虚を改善する効果があるとされています。

食養生法について

鉄分が豊富な食材を摂取することが推奨されます。黒い食材や赤い食材も良いとされており、ほうれん草、小松菜、レバーなどが挙げられます。また、プルーン、ブルーベリー、黒ごま、黒米、黒豆、あずき、桑の実、ぶどう、なまこなども有効です。

さらに、ツボを温灸で刺激することも有効で、「三陰交(さんいんこう)」「血海(けっかい)」がおすすめのツボとされています。

血虚症の改善には、これらの療法や養生法を組み合わせて行うことが大切です。日々の食事や生活習慣に気を付け、バランスの良い健康管理を心がけましょう。また、自分の体質に合った方法を見つけることも重要です。中医学の知識を活用して、脱毛の改善に努めてください。

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